国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 木材・金属複合パイプの開発

作成年度 1998年度
論文名 木材・金属複合パイプの開発
論文名(和訳)
論文副題 平成10年度(共-16)
発表会 平成10年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成10年度技術研究発表会
発表年月日 1999/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
藤本英人
今泉英恵
抄録
北海道立林産試験場では金属パイプに木材の薄板(単板)を巻き付けた材料を開発中である。この材料を木材・金属複合パイプと呼んでいるが、その性能、用途などについて現在までに得られている知見を紹介する。この材料を開発するきっかけとなったのは木製遊具で何人かの幼児が遊んでいる光景を見たときである。そのとき、その幼児たちが握っている滑り台の梯子(木製の棒)の直径は彼らには明らかに太すぎ、十分把握できずに危険と思われる光景もあった。一方、同じような機能を有する鉄製遊具の場合、一般的に細く作られ、子供でも十分に握れる太さに作られている。では、鉄製遊具の方が優れているのであろうか。たしかに寸法の点では優れているが、子供たちあるいは教師や父母たちの評価はそうではないようである。それは以下のような点についてである。鉄製遊具は夏は熱くてさわれないし、冬は冷たくてさわりたくない。ケガの頻度や程度も鉄製遊具の方が大きい。木は手の汗を適度に吸い取ってくれるし、摩擦も適度にある。見た目も木製遊具の方が良い。そこで、子供の人間工学を考えた寸法に、すなわち細くする事が可能で、なおかつ十分な強度がある材料を開発することを思い立った。前途の木材の特徴は触覚、視覚など表面的なものである。そこで、十分な強度を有する金属などの材料の表面を木材で被覆、複合化することを考えた。複合化には木粉を用いる方法や数枚の板を張り合わせる方法など、いくつかの方法が候補として考えられた。その中で、木質感を生かすこと、低コストであることなどの理由で金属パイプに単板を巻き付ける方法を採用した。このようにして得られた木材・金属複合パイプは本来の開発目的である遊具はもちろんのこと、階段の手すり、転落防止柵、パソコンラックなど非常に広範囲な用途に応用できるのではないかと期待されている。今回はこれらの試作品についても発表する。
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