水防活動は、もともと地縁的または地域的な共同体によって行われてきた。しかし最近の全国的な傾向として都市化による住民連帯意識の希薄化、過疎地域における若年層の減少および国民の就業形態変化など社会経済情勢の変化の影響を受け、水防活動に携わる消防団員(水防団員)は減少していると思われる。平成13年7月3日に水防法が改正され、国及び都道府県が河川管理者として作成・公表する浸水想定区域図を市町村長に通知すること(浸水想定区域制度)、都道府県管理河川の洪水予報河川への指定(洪水予報河川制度)、避難場所・迅速な避難に必要な事項について地域防災計画へ記載することや、地域防災計画の住民への周知等、規定の整備が図られているところである。また、それに先だって河川審議会より答申のあった「今後の水災防止の在り方」では、水災防止体制の整備として「水防団活動の充実」、「自主的な防災組織の活用」等が重要視されており、水防団員の処遇改善、人手不足への対応、活動支援等の課題が挙げられている。本論では、石狩川下流域で活動している消防団員(水防団員)を対象に行ったアンケート調査の結果から、消防団(水防団)を取り巻く環境・実態を把握し対策を検討すると共に、平成13年9月洪水での水防活動に対して考察を加えるものである。 |