士狩大橋は、橋長610m、最大支間140mの大偏心外ケーブル方式(エクストラドーズド)PC5径間連続箱桁橋である。本橋の南側にはインターチェンジが隣接するためP3とP4の中間地点から拡幅されている。さらに、片持ち張出し架設工法で施工を行っているが、P4系の張出しでは、堤防を越えるためにA2側の張出しブロック数がP3側よりも3ブロック多くなっている。そのため張出架設中に大きなアンバランスモーメントが生じるが、これに抵抗するために張出し施工時から側径間閉合まで仮支柱で主桁を支えることとした。仮支柱は完成系では不要となるため、撤去しやすい構造とする必要がある。また、仮支柱に鉛直方向の変形が生じて主桁高さが変化すると、上げ越し管理だけでなく、主桁の応力度にも大きな影響を与えるため、仮支柱上の主桁高さおよび反力を精度よく管理し、調整する必要がある。本稿では、仮支柱本体を山留材、基礎構造を直接基礎形式とすることによって施工および撤去が容易な構造とし、仮支柱の天端に油圧ジャッキを設置することによって主桁高さおよび反力を調整できる構造とした。また、計測システムおよびジャッキ加力制御システムを導入することによって主桁高さおよび反力を精度よく管理し、調整することができた。ここでは、仮支柱および基礎構造の比較検討、主桁高さおよび反力の調整方法について報告する。 |