北海道開発局では、近年建設コスト縮減や資源の有効活用の点から、電力会社の微紛炭燃焼装置から集じん器で採取した灰(フライアッシュ)等のリサイクル材を積極的に有効利用している。そこで、一般国道229号 島牧村 持田改良工事では既設トンネルの覆道直部の不安定岩体が崩落した場合のシミュレーション解析を行った結果、覆道を直撃し破壊してしまうため気泡混合軽量盛土(エアミルク)による盛土により覆道を保護する対策を行なっている。気泡混合軽量盛土のうち砂を用いないエアミルクは、砂を用いるエアモルタルと比べ軽量であるが、単位セメント量が多くなり、フライアッシュの置換利用によるコスト低減が期待できる材料である。一方、北海道電力(株)での石炭灰の発生量は、ここ数年60.0万t/年前後で推移し、平成12年度実績では63.8万t/年となっている。有効利用率は除々に増加し、平成12年度は87%に達しているが、なお8.1万tの石炭灰は有効利用されずに陸上埋立て処分している状況である。このことをから本稿では、フライアッシュ置換率や灰種がエアミルクの配合や強度に与える影響を検討し、フライアッシュがエアミルクのセメント置換材料として十分適用可能なことを確認した結果をもとに採用した工事の事例を紹介する。 |