近年、財政逼迫や道路の役割の多様化といった背景の中、道路政策の進め方改革が、効率の改善・効果の向上、評価機能の充実、透明性の向上の観点で行われている。道路行政においては現在推進している「新たな道路整備五箇年計画」においてPI(パブリックインボルブメント)が導入によって計画が立案され、平成13年10月には道路計画合意形成研究会から提言書「構想段階における新たな計画決定プロセスのあり方について」が提言された。北海道開発局においても、透明性の向上を図り地域とのパートナーシップの確立を目指して、広報、懇談会、ボランティアサポートプログラムなどを行っている。今後、道路行政が道路利用者からの一層の理解を得るためには、道路利用者との効果的なコミュニケーション活動が不可欠である。よって、道路利用者と道路行政とのコミュニケーションは計画、事業、管理など多段階に及ぶため、各段階で効果的なコミュニケーション手法を検討していく必要がある。本研究では、これまでの道路行政と道路利用者とのコミュニケーション活動を整理したうえで類型化する。さらに、他機関の事例なども参考にして今後の道路行政における効果的なコミュニケーション活動方策のあり方について提案するものである。 |