近年、道路事業をはじめとする公共事業の削減が予想されるなか、予算の効率的な運用とともに、建設コストの縮減が大きな課題とされている。橋梁についても設計・施工・維持管理の合理化を目指して、各発注機関により新技術・新工法の導入が図られ、工費の削減や工期の短縮化が積極的に進められている。そのような背景のなか、近年の高規格道路整備に伴い、本線切土区間において高規格道路を横断するこ道橋の施工事例が増えているが、この場合、橋脚位置の制限により4車線を跨ぐ比較的大きな中央支間となるため、従来からPCπ型ラーメン橋が採用される事例が少なくない。そこで、新しい合理化橋梁の提案を目的に、従来のRC床版やPC床版と同等以上の剛性を有し、かつ軽量である鋼・コンクリート複合サンドイッチ構造版を床版に用いた斜材付π型ラーメン橋について試設計を行った。このなかでは、上部工が軽量となるアドバンテージを生かして、下部工の施工方法についても検討してコスト縮減を試みた。本報文では、SW斜πラーメン橋案について、数値解析から得られた結果をもとに試設計を行い、従来工法の一つであるPC斜材付π型ラーメン橋との比較を通して、その適用性について検討したので、これについて報告する。 |