一般に砂浜海岸において消波ブロックを施工する場合、最も問題となる点は、波浪などによって砂粒が不安定になることによって引き起こされるブロックの沈下現象である。特に波浪や沿岸流の影響が強く一時的にでも砂浜の侵食傾向が強まるような場合は、波浪の襲来とともに消波ブロック下部に洗掘・液状化現象などが起こり、ブロックの転倒・沈下などが引き起こされる。その結果1m/年以上の沈下が生じ、消波効果維持のために嵩上げが必要となることもある。胆振日高海岸においても随所に消波ブロックが施工されているが、やはり沈下現象が生じている。場合によっては数回の嵩上げが行われた結果、砂地盤中に3段以上のブロックが埋没しており、消披効果の維持だけでなく、管理コストの面から考えてもなんらかの対策が必要になっている。しかしながら、現在のところ決定的な防止策はなく、海岸部の砂地盤根固め工として有効な方法の開発が待たれている。コマ型基礎は、軟弱地盤の根固めとして近年注目され始めたコマ型のブロック布設による地盤改良である。胆振日高海岸では、3年ほど前より海岸擁壁と組み合わせた消波ブロックの根固めとして実験的に使用され、効果を検討してきた。本研究ではこの間の2、3の施工例に基づく研究成果とともに、より詳しい検討を今後行うための取り組みについて報告する。 |