わが国の道路は昭和29年の第1次道路整備5ヶ年計画以来、国士建設の柱として体系的に整備が進められ、現在第10次道路整備5ヵ年計画を推進するに至っている。この間、産業構造の高度化、社会情勢の変化、高齢化社会への移行、更にはモータリゼーションの成熟等により、国民のニーズも多様化してきている。道路交通にあっても社会情勢に即した水準の道路が有効に機能することが重要視され、定時制、安全性、快適性、利便性などが求められてきている。特に最近は、通過交通が引き起こす都市内道路の混雑は地方都市でも発生し、地域住民の生活や産業活動にも影響を与えてきているため、各地域の社会・経済的動向に配慮したきめ細かな道路整備が必要となってきた。このような傾向は北海道においても例外ではなく、都市内道路の混雑解消、安全性向上などを図り、かつ地域内産業活動の活性化を目指してバイパスの建設を計画的に進めているところである。しかし、これらの道路整備効果については研究途上ということもあり、必ずしも十分に計量されていない現状にある。本文は過去10年間における道内のバイパス整備効果調査の報告書を収集し、道内における調査例を整理・分析して今後の同等調査の参考となるよう取りまとめたものである。 |