近年、我が国において毎年のように各地で台風や集中豪雨による水害や渇水による水不足が続き重要な問題となっている。このような問題や社会情勢の変化に伴い新しい水文資料の早期入手、活用を望む声が多くなっている。水文資料は河川の計画・工事・管理等の基礎資料としてはもとより国土調査の基本資料として広く利用されている。中でも河川の計画及び管理として利用される水位・雨量データは、長期間にわたり定常的かつ継続して観測されることが必要であり、しかも信頼度が高く、精度の水準が揃った資料の蓄積が望まれる。一方全道には、開発局が所有している水位観測所・雨量観測所が合わせて約570ヶ所もあり、このうち水位・雨量観測員による普通観測を同時に行っているのが約330ヶ所、また水位観測所のうち約200ケ所で流量観測も同時に行っている。これらの資料整理、特に水位・雨量データはそれぞれの自記観測と普通観測によって収集されたデータの相互補完による確実な取りまとめが不可欠であり毎年多大な時間を費やしている。開発局においては従来、時刻水位・雨量・H-Q式により各種帳表を出力する水文データ処理システムにより資料整理を行っているが、データの回収から本システムへの入力は未だ人間の手作業に頼る所が多くこれをフロッピー化することによりさらに資料整理の省力化と同時にデータ収集の確実牲が図られるものと考えられる。本報告は、従来の水文資料整理の実態を踏まえて水位・雨量データから水文データ処理システムに登録するまでを短時間に処理することを目標に検討したシステムについて紹介するものである。 |