厳寒地における流雪溝整備は、取水口、導水路、流雪溝本体、排水口などの凍結対策が大きな課題である。下川町は冬期気温が-30℃を越える道内でも有数の厳寒地であり、この地における流雪溝整備は、凍結問題の解消が大きな柱であったと言える。下川流雪溝は平成2年12月に完成供用したが、その水源は河川水で有り、取水地点は下川町郊外に位置する既設の名寄川頭首工を利用している。また、導水路の一部は既設の用水路を利用しており、いずれも農業のかんがい用取水を目的として設置されたものである。これらの施設を流雪溝用取水のため冬期に利用するにあたり、水面の結氷により適切な取水量が確保できないことが予想された。このため円滑な流雪溝計画の実施には、取水、導水施投の結氷防止対策の検討が重要な課題であり、その調査研究を昭和63年度より行ってきた。本報告は、取水口の結氷防止対策としてダム等において実績のあるエアブロー方式、水中ミキサー方式の2方式について、現地比較実験より今後の対策方法の検討を行い、また、導水路の結氷防止対策としてパイプネット工法を採用し、その効果を確認したので、厳寒地における流雪溝計画の一助とするため、その結果について報告する。 |