奥尻島は、北海道の南西端に位置し、江差町の西北61㎞、大成町から西へ28㎞の日本海に浮かび、東西11㎞、南北27㎞の南北に長い台形状の島である。面積は、北海道では利尻島に次ぐ規模を誇り143k㎡である。標高585mの神威山を中心になだらかな海岸段丘が広がり美しい自然が息づき、昭和35年には、桧山道立自然公園に指定され、景勝地が多くまた、道内の離島では唯一の温泉が湧出している。幌内道路は、西海岸の幌内地区から、高原地域の球捕地区で道道に接続する路線であり、東海岸の奥尻町本町とを結ぶ唯一の横断道路である。当路線は、林業資源の開発及び漁業生産物資の撒出輸送、地熱エネルギーの開発および事業化、また島内唯一の鉱山資源であるパーライト鉱の開発高揚を図る基幹道路として、経済の発展、町民生活基盤の安定と観光開発の促進を図る上でその役割は大きく、開発道路として建設されるものである。ここに報告する幌内2号橋は、上記道路建設事業の一環であり、平成元年度に着工し、現在施工中である。本文は、奥尻島の現状から本路線の地域発展に対する意義を述べ、主に急峻なⅤ字峡谷に架橋される当橋の計面と設計、施工について報告するものである。 |