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 一般曲線座標系を用いた常射流混在流れの計算法の開発

作成年度 1990年度
論文名 一般曲線座標系を用いた常射流混在流れの計算法の開発
論文名(和訳)
論文副題 平成2年度(河-25)
発表会 平成2年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成2年度技術研究発表会
発表年月日 1991/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
崇田徳彦
清水康行
山下恭正
抄録
我が国の河川は諸外国、とりわけ大陸の諸河川に比べ地形的要因からほとんどが急流河川であるといっても過言ではない。これらの急流河川においては治水対策上、床止め工や水制工の占める役割は、非常に大きい。これらの治水施設の施工にあたっては模型実験や河川技術者の経験により、その効果や間題点の検討が行われている。しかしながら、近年の治水事業に対するニーズの多様化や環境への配慮から河川構造物や河道自体が複雑な形状をとる場合もあり、特に急流河川や床止め工を含む流れにおいては、跳水現象等が生じ流れが非常に複雑になるため、いままでの実験や経験のみではその水理機構が明らかにならない場合も多い。これに対して、計算により任意の河道形状における流れの予測が可能となればより短時間で合理的な河道の設計が可能となる。従来、著者らは2次元浅水流方程式を数値的に計算する方法で河川の流れの予測を行って来たが、計算に用いた方程式が直交座標系で表されているため計算格子はすべて直交している必要があり任意の河道形状への適用は困難であった。また、差分式上の問題から、跳水現象等を含む流れの計算においては十分な精度が期待出来ないという欠点もあった。跳水現象等を含み局所的に流れが急変する場合における教値計算法としてはMac-Cormack法が有効であり著者らにより1次元の流れの計算に応用されている。この場合、床止めだけを取出した局所的な計算には有効であるが河道全体の流れを予測するモデルとはなっていない。これに対し、畑らはMacCormack法を2次元流れの計算に適用し河川合流部や水制を含む急変流の計算法の開発を行っている。しかしながら、畑らによるモデルは直交直線座標系を用いているため、実河川のように河幅が漸変する場合や流路の曲率が急変するような場合には適用出来ない。そこで本研究においては、これらの問題点を一気に解決すべく、2次元の一般曲線座標系における流れの方程式を基礎式としこれをMacCormack法で計算するモデルの開発を行う。ここで従来のMacCormack法では直交直線座標における数値計算のみを対象としていたが、本研究においてはこれを一般曲線座標においても計算可能なように拡張をおこなうものとする。一般曲線座標系とは任意の河道形状に適用可能な座標系であり、計算格子も直交している必要もなく境界条件も非常に簡単に与えることが可能となる。モデルの検証は水路幅が漸変する湾曲河道に段落ち部および段上がり部が存在する条件での水理模型実験を用いて行うものとする。
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