環在、漁港関係事業の実施に当って、そのよりどころとなっている全国的な計画は、昭和63年から始まった第8次漁港整備長期計画であるが、本道においても第1次漁港整備長期計画期間内(昭和26~29年)に漁港関係事業が実施された漁港が65漁港であったものが、第7次漁港整備長期計画期間内(昭和57~62年)においては90漁港、同じく指定漁港数は各々77漁港、284漁港と飛躍的に増加している状況にある。この間における、これまでの漁港建設の歴史を振り返って見れば、もちろん第1次から第8次の長期計画において、各々解決されなければならない課題があって、それらの課題を解決するための施設が掲げられてきたのは事実であるが、根本としては漁港の数そのものが不足していたり、漁港内の施設が不十分であったりという、どちらかと言えば基盤整備の方向が根底にあったと考えることができるのではないだろうか。これらの根本的な課題が完全に解決されたかと言えば、公共投資の原資の問題もあって、必ずしも断定できるような状況ではないが、昭和26年から始められた8次にわたる漁港整備長期計画の実施が本道の各地域社会にどのような開発効果をもたらしてきたかを整理して、これからの事巣の実施に役立てて行くことも、また意義のあるところと考えられる。このような観点から、農業水産部水産課においては、昭和63年度よりこれまでの漁港建設が道内地域社会に及ぼしてきた開発効果について調査を行っている。本報告は、この調査の全体計画を中心に、これまでの調査結果について、簡単に紹介するものである。 |