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 2段スリット堤の部材波力について

作成年度 1990年度
論文名 2段スリット堤の部材波力について
論文名(和訳)
論文副題 平成2年度(港-23)
発表会 平成2年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成2年度技術研究発表会
発表年月日 1991/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
杉本義昭
水野雄三
山中浩二
抄録
道内における第一線防波堤の代表的構造様式はケーソン式混成堤であるが、前面が直立壁であるために反射波や作用波圧が大きくなる短所を持っている。こうしたケーソン式混成堤の短所に対して、直立壁の前面に消波ブロックを設置した消波ブロック被覆堤を採用することで対処してきたのがほとんどである。しかし、水深が浅い場合は問題ないが、大水深・大波浪の条件に対しては、ブロックの大重量化に伴う強度の問題や堤体の大断面化に伴う工費の増大といった問題が生じてくる。一方、直立構造であってしかも消波機能を有する構造として、孔あきケーソン、スリットケーソン等の消波ケーソンが研究開発されるようになり、比較的波の穏やかな内港等における防波堤や護岸などに次第に採用されるようになってきた。このような一体構造である特殊消波ケーソンは消波性能に優れるばかりではなく、海水交換機能、波エネルギーの利用および親水性などの機能を容易に付加することが可能であるため、多機能型の防波堤として期待の高い構造型式といえる。このようなことから、港湾研究室では新たな経済社会の多種多様化する要請に応えていくため、種々の消波ケーソンの水理特性を随時検討しながら、その中から消波性能の良いものについて体系的に開発研究を進め、既報にて2段スリット堤を提案した。この2段スリット堤はスリット壁に囲まれた2つの遊水部を有しており、また2段目遊水部水深が1段目に比べて浅くなっているため、それだけ中詰砂を増加させ堤体重量を増すことができるのが特徴である。また、従来のスリット堤のもつ反射波低減効果に加えて、さらにその形状から、2段目遊水部前後の水面の位相差による戻り流れや越波により、強力な渦の形成とエネルギーロスを促し、反射波の減少を図るものである。本研究は2段スリット堤について、前後壁面のスリット形状や遊水部の底板位置を変化させ、より低反射な構造断面を求めることを目的に水理模型実験を実施し、その開発の可能性を検討したものであり、次のような実験を行ってきた。① 反射波に関する実験、② 斜め入射波に対する反射特性に関する実験、③ ケーソン全体に働く波力に関する実験、④ ケーソン部材に働く波圧に関する実験、⑤ 洗掘に関する実験このうち、①の反射波に関する実験は構造条件を選定するまでを規則波により、最適構造の選定後は不規則彼によりそれぞれ実施した。本報では平成元年度から実地している④について報告することとする。
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