港湾整備における主要な構造物である防波堤の消波工には、異形ブロックが使用されており、その出来形管理は水上部と水中部に分けて実施しているのが現状である。現在、出来形測定は人力により直接消波ブロックに接触することにより計測する他、適切な手段はなく、対象物がきわめて不整形で、海象条件の厳しい場所に据付られるため測定は危険を伴うこともあり、きわめて困難な作業にならざるを得ない。また、それらの理由より測定基準も確立されていないのが現状である。本調査試験は、これらの問題を解決するために有効かつ効率的な出来形測定機を開発することを目的に昭和62年度から平成2年度までの4ヶ年間において実施する予定である。昭和62年度は、水中部、水上部のセンサとして超音波及び圧力センサの計測性能についての実証実験を行い、水中部センサとして超音波センサの実用の可能性を得た。昭和63年度は、水上部計測システム全体としての開発に主眼をおき、空中保持方法を想定した計測機の開発を目的として実験を行い、レーザセンサ、RCヘリコプタ及び立体座標測定装置としての光波距離計の実用牲を確認した。本年度は、水上部計測システムの完成を目指し、開発実験を行ったので報告する。 |