近年、除雪機械およびその工法の進歩により、道路の除雪施工レベルは年々向上している。しかし、除雪機械による施工が十分にできない都市内の狭あい場所、あるいは除雪機械の使用により交通渋滞を引き起こす箇所などでは、雪の取り残し、特に車道と歩道間に雪の堆積などが生じ、冬の都市内環境は必ずしも満足できる状況には至っていない。現在、都市内におけるこのような雪問題を解決するために流雪溝や融雪施設等の整備が進められている。本調査試験では、流雪溝、融雪施設等を有効に活用して都市内の狭あい場所等の除排雪を効率的に行うために、圧送方式による雪の空気輪送機械の開発を昭和63年度から行っている。除雪した雪を空気で輸送することによって、1台の機械で除雪と排雪ができ、これまで十分に運搬排雪ができなかった狭い場所でも効率的な除雪旋工ができる。また、除雪を粉状のまま輸送できるので、例えば、公園に雪山のような遊び場を造るなど、克雪と同時に利雪・親雪目的にも利用が期待できる。平成2年度は、小形除雪車(KBR-80、80PS級)をベース機械にした試験機実験により、種々の雪質について限界風速、雪輸送能力、圧力損失等の雪の空気輸送に関する基礎実験データを収集した。さらに、実機の仕様決定のための設計手順等の検討を行った。 |