北海道の道路は、10次にわたる道路整備5ヶ年計画に基づき、着実にその整備が進められてきているが、ストックの増大に伴い維持管理を適切かつ効率時に実施することが求められている。また、維持管理のレベルが、道路整備の水準を評価する上での重要なファクターの一つとして考えられる。北海道における道路は、広域に分散する集中型地域社会を支える社会基盤として重要な役割を担っているが、その密度は低く、また冬期間においては厳しい気象条件にさらされている。従って、活発な経済社会活動を促し、地域社会の生活環境を維持し発展させる上で、道路交通の安定性・安全性・快適性を確保することが、社会そして地域住民から強く求められている。また、維持管理の面からの道路整備水準へのアプローチが、北海道における道路網のあり方を検討する上での一助と成るものと思われる。こうした観点から、道路の維持管理に着目して、舗装路面の供用性のレベルや除雪レベル等のあり方や、整備水準の指標について検討を行なうことが求められている。本研究は、開発土木研究所道路部研究プロジェクト「北海道の道路網に関する研究(平成3~5年度)」の一環として行うものであり、ここではその現状と課題について述べる。 |