道路は交差点によって結ばれ面的な広がりをもち、道路網として機能し地域社会の発展に寄与しうるものであるから、安全で円滑な交通を確保するために交差点の果たす役割は極めて重要である。交差点は互いに交差する交通流が同一平面を利用するので、これらをさばく能力としての交通容量を算定することが道路の計画・設計を考える基礎となる。この交通容量は、道路条件や交通条件によってかなり変動するものであり、容量低下がどの要因によるものなのかを把握することが重要な課題となる。また、道路利用者に対し交差点の情報を提供する案内標識を適切に設置するため、その位置を決める要因の検討も必要なことである。本文は、従来の調査研究で明らかにされた道路条件や交通条件などの説明要因が現実的な範囲で変動したときの、交通容量や設置距離に与える影響度を把握するために実験計画法的アプローチを試み、交差点の設計に際しての基礎情報を堤供するもので、つぎの点に特色がある。1)道路条件や交通条件など多くの要因の影響度合を寄与率で知ることができ、しかもこれら要因の効果(平均値)も得られる。2)交通容量や設置距離の線形近似式を、それぞれの要因の持つ寄与率をベースに定めることができるので、交通条件などが不明の場合でも算出でき、その推計の誤差の大きさも評価でさる。 |