国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 寒冷地における雨水浸透施設導入について

作成年度 1991年度
論文名 寒冷地における雨水浸透施設導入について
論文名(和訳)
論文副題 平成3年度(河-30)
発表会 平成3年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成3年度技術研究発表会
発表年月日 1992/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
岩見洋一
中野嘉道
関博之
抄録
都市化に伴う不浸透域の拡大は、雨水流出形態に大きな変化をもたらし、流出総量の増加、流達時間の短縮、ピーク流量の増大といった形で現れ、下水道及び河川の排水能力に一層の負担を強いることになった。近年、総合的な治水対策の推進によって、流域の持つ保水・遊水機能を活かした貯留型あるいは浸透型の流出抑制対策が行われてきているが、調節池等に代表される貯留型施設は水理的に明解であり、基準化、制度化が早かった。一方、浸透型については、その能力及び維持管理上の問題から多くは試験的に施工されている段階で、基準化はされていない。しかしながら、雨水浸透施設は、浸透能の見込まれる地域(例えば、実施例の多い関東ローム層)では、10年確率降雨に対してピーク流量の50%程度をカットする事が報告されているし、流域貯留型の施設と組み合わせれば、異常洪水時においても流域保全に有効な対策に成り得ると考えられる。また、一般的に施工費も貯留型施設単独より安くできる。さらに水系環境の視点から言えば、水質の問題がクリアーされれば地下水を涵養し、河川の平常時の流量の確保にもつながり、"地下水系を総合化した良好な水循環システム"を考える上でも有力な技術として今後さらに重要視され、全国で導入されていくものと思われる。北海道においても、今後積極的に雨水浸透施設導入を検討し、流出抑制対策、地下水涵養、発展的には地下水の温度に着目した地上と地下の水循環による有効なエネルギー利用も図られるべきと思われる。ここでは、雨水浸透施設導入について、日本の先例、海外での事例をもとに諸問題を整理し、特に寒冷地における導入の可能性について言及するものである。
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