札内川ダムは、十勝川水系札内川上流の河西郡中札内村に建設申の建設省直轄の多目的ダムで、十勝川総合開発の一環をなすものである。ダム型式は重力式コンクリートダムで、高さ114.0m、堤頂長註300.0m、総貯水容量5,400万m3、有効貯水容量4.200万m3である。 事業は昭和46年度より予備調査を開始し、昭和56年度に実施計画調査、昭和60年度に建設に着手し、平成元年度には基礎掘削を終了、平成2年度は減勢工基礎部において堤体コンクリートの試験施工を実施し、本年度からダム本体のコンクリート打設を開始したところである。当ダムの打設工法は、合理化施工の一環であるRCD工法で、この工法としては国内最大級のダムとなる。また、当ダムのセメントは、高炉スラグ微粉末を混和材として加えたものでありRCD工法のダムとしては、国内初の試みであり、その結果が期待されているところである。コンクリートの品質については昭和63年、平成元年度の2ヶ年でセメントの検討、コンクリートの配合設計、また平成2年度に試験施工を実施してダム用高炉セメントの特性、施工性を確認した。本報告は、コンクリート打設初年度に当り、実施施工及び品質管理について、上記試験結果を踏まえて検証報告(中間報告)するものである。 |