峠山間部の道路環境は、標高が高いため真冬でも霧(地面に着いた雲)の影響を受けるなど平地とは異なり、より、安全な道路作り・道路管理には道路気象条件と交通との詳細な実態解明を要する。中山峠の路側で、年間を通して10分毎に連続測定した平均視程と平均速度、及び路面状況の季節・時間別変化の特徴と車両平均速度の相互関係を報告する。路面状況や道路気象条件は、車の速度や交通容量に影響を与える。路面状況と道路気象条件の内、車の速度に直接影響すると考えられる視程の季節変化を調べ、車の速度との相互関係を調べた。観測地点の一般国道230号中山峠は、札幌を含む道央圏と道南を結ぶ幹線で、観測地点で800m前後の標高である。標高が高いため、真冬でも視程障害は、霧によるものが約半数に及び、残りが雪関連という特徴がある。使っているデータは全て10分平均の連続記録である。1991年から92年の冬にかけては路面状況も考慮し、同一路面状況時の視程と車の速度の相互関係を調べた。調査地点は、一般国道230号の46.6キロポスト、頂上へ向かっての登り坂で規制速度は夏(4月1日~10月31日)、50km/h、冬(11月1日~3月31日)、40km/hである。 |