現在、冬期路面維持は、交通量の増加・高速化、交通事故の増大、そしてスパイクタイヤの規制によるスタッドレスタイヤの普及に伴い、路面管理の向上、除雪装置の高性能化及び効率化等が重要な課題である。路面の仕上がり精度を決定する路面整正作業は、除雪トラックと除雪グレーダの路面整正装置により行われており、除雪グレーダは除雪初期の高速除雪及び除雪中期の圧雪・氷盤除去等広範囲に使用されている。その路面整正装置には、作業中に、道路上の突起物(橋のジョイント、縁石、マンホール蓋)に衝突したときの過負荷により生じる路面整正装置の損傷やオペレータへの衝撃を防止するため、衝撃回避装置が取り付けられていて、現状の除雪グレーダには、サークル回転式のシャーピンレス装置が取り付けられている。しかし、この装置は、その機構上、ブレード中央部あるいはブレード全面に均等に過大負荷が作用した場合には、装置が作動しない構造となっている。そこで、本開発試験では、除雪トラックで既に実用化きれているブレード後方反転式のシャーピンレス装置を基に、ブレードのどこに過大負荷が作用しても起動し、衝撃を回避する、除雪グレーダ用のブレード後方反転式シャーピンレス装置を開発し、路面整正作業の効率化と安全性の向上に資するものである。 |