我が国の道路は、昭和29年に第1次道路整備五箇年計画が閣議決定されて以来、10次にわたる道路整備五箇年計画により整備されてきた。これまでの道路整備五箇年計画においては、全国的な道路整備指標として整備率、改良率、舗装率等を用いて実施されてきたが、これらの整備指標は道路整備の量的な評価においては的確であるものの、地域のニーズや個別の課題、地域特性に対応した評価指標とはいえない。例えば、一般国道では、改良率、舗装率はほぼ100%に近く、道路整備水準を示す指標にはなじまない。また、道路利用者にとっても、5.5mの車道幅員で十分とは理解され難い。今後の道路整備に当たっては、全国一律の整備指標だけではなく、地域特性、地域課題、地域のニーズを加味した整備指標を用い、地域事情に即した整備を行う必要がある。北海道においては、積雪寒冷地という気象特性、広域分散型社会という社会特性、第一次産業の比率が高いという経済特性に即した整備指標により道路整備を進める必要がある。このため、本研究課題では、北海道における道路の現状と課題をいくつかの視点からとらえ、これらを的確に評価することのできる道路整備指標を提案し、今後の道路整備のあり方、道路の整備効果について検討を行い、あわせて道路整備の長期構想、第11次道路整備五箇年計画の策定に反映させることとしている。 |