農業施設構造物であるダム、水路、機場はその数も多く、効率的な維持管理を行なっていくために、構造物緒元、位置情報などのデータベース化が必要と考えられる。データベースは①目的を特に定めない汎用システム ②明確で限定された目的をもつ専用システムに大別されている。①のデータベースは汎用性をもつためにシステムは複雑になるが、目的が明確でないために実用的価値に乏しいことがある。②のデータベースは目的を限定しているために、システムは単純であり、実用性があるが、対象・目的が異なるとシステム全体を作り直す必要がでてくる。このようなことから、データベースの構築は②の専用システムを実用上の問題点を検討・修正しながら完成させていく。さらに同様の手順で複数の専用システムを構築した後に、全体を結合して汎用システムを構築していくことが効率的であると考えられる。本研究では農業施設構造物のデータベース化の一例として、北海道にある農業用ダムのデータベース化の試みについて報告するものである。ダムに関しては’○○ダム工事記録’等に集大成されている様に、その情報量がきわめて多く、これらをすべてデータベース化することは困難である。今回はこれらの情報の一部についてデータベース化を試みた。 |