国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 リモートセンシングを用いたダム流域融雪量の算定について

作成年度 1992年度
論文名 リモートセンシングを用いたダム流域融雪量の算定について
論文名(和訳)
論文副題 平成4年度(ダ-13)
発表会 平成4年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成4年度技術研究発表会
発表年月日 1993/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
中津川誠
西村豊
畑敏夫
抄録
北海道のような積雪寒冷地の流域においては水資源の多くを融雪に依存している。融雪流出のパターンは、ダムや河川管理のありかたを大きく左右するものであり、その的確な把握が望まれている。本報告では、観測ステーションの設置が制約される山岳部の流域における融雪流出量の実用的な算定法と、それを検証する手順を紹介する。最初に、将来の融雪流出量を見積もるには積雪水量の把握が必要であるが、そのためにはスノーサーベイが一般的である。しかしながら、特に融雪期には、遭難の危険性などにより、実施に多くの困難をともなう。そこで、各種リモートセンシングの活用が考案されてきており、最近は衛星画像の利用が期待されている。代表的なものとしては、LANDSATデータを利用して山地積雪量の推定をおこなった例が小池らや秀島らなどの報告にみられる。ただし、LANDSATの画像は雲がかかると利用できないので、解析に運・不運があるという欠点を有する。また、再帰時間の短いNOAAの画像データを利用した解析例は、風間らの報告に示されているが、解像度が粗いので、適用範囲は大きな流域に限られる。最近、透過性の大きいマイクロ波を使い、雲の影響を排し、しかも積雪深まで捉えようという試みがあるが、実用的観点からは、まだ途上の技術といえる。そこで、今回は積雪面積を把握するため、現状で最も確実性の高い航空写真を利用する方法をとった。次に捉えられた積雪量から融雪量の推定をおこなう必要があるが、これは原理的に放射や顕熱・潜熱等の熱収支でなされることが、小島の報告等に示されている。しかしながら、熱収支要因を細かく観測することは、機器の設置等で実用上困難な面が多い。そこで、融雪量を気温など簡便に計測できる要因から算出する方法が提案されてきた。いわゆる積算暖度法(デグリーデイ法)に代表されるような手法である。デグリーデイ法は気温のみから融雪量を算定できるという点で、きわめて実用的価値の高い手法である。今回は、実用性を主眼におき、デグリーデイ法をベースとした手法を適用し、融雪流出量の算定をはかった。本報告では、このような手法を定山渓ダム流域に適用して、融雪流出量を算定したので、その結果を示す。また、算定結果を実際のダム流入量と比較して、その妥当性を検証した。さらに、日単位の流出量の算定を、積算暖度法をもとにしたモデルによっておこない、その実用性を確認した。
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