今、北海道でも屈指の食料生産地帯である十勝地方において、農業・農村では自由化や農産物価額の低迷、後継者問題等多くの課題を抱えながらも将来に向かって大きく変革を遂げようとしている。大規模機械化経営における畑作・酪農は畑作物、牛乳等が計画生産の状況にあり、付加価値の高い作物または輪作作物としての新しい導入作物の開発が望まれている。帯広開発建設部では、浦幌町において国営農地開発事業(稲穂地区)を実施しているが、農地造成に伴い2次的に生まれる法面の浸食防止及び景観を考慮し、植生草種の検討を行っている。この様な中、産・官・学が一体となり「浦幌町・特用作物高度利用研究会」(愛称:マツヨイグサ研究会)を平成3年9月に結成した。研究会では、機能性食品としての新規導入作物、また法面の景観上の植生としての利用可能性の観点からメマツヨイグサを選定し、栽培管理調査と高度利用調査の2本立てで、平成3年度より5年計画で栽培から最終的には商品化までの研究を進めているが、メマツヨイグサの栽培技術は未だ確立されておらず今後の研究が必要となっている。今年度は昨年の野性メマツヨイグサの調査をもとに、実際に試験栽培し、生態を明らかにすることに重点をおいた。 |