倶知安町は後志支庁管内のほぼ中央、道南と道央を結ぶ交通の要衝に位置し、四方を羊蹄山やニセコ連峰などの山なみに囲まれた農集地帯であり、地域の主産物である馬鈴しょも全国的に屈指の品質を誇っている。また、北海道随一の豪雪地帯であり、この豊富な雪とニセコの山々によって、スキーのメッカとして全国的に有名となっており、農業と観光を基幹産業とする地域としての発展が期待されている。町の市街地から約10㎞の距離にある『ニセコ国際ひらふスキー場』は、東洋のサンモリッツといわれ、スキーシーズンには多くのスキー客で賑わっているが、これに隣接する山田地区には約100ヵ所のペンションがあり、その最大宿泊能力は6,000人/日にも及んでいる。しかし、スキーシーズンには能力いっぱいの宿泊客があるものの、それ以外の期間の観光客の入り込みは少く、宿泊稼働率の低さが以前から課題になっており、ペンションのオーナーはもとより町としてもその対策に頭を悩ませてきているところである。本稿は、本地区が農業地帯に隣接している点に着目し、夏は閑散期となるペンションを都市と農村の交流の場として活用することの可能性について、ペンション宿泊者のアンケート調査等から検討したものである。 |