北海道におけるプレジャーボート等の海洋性レクリエーションに対する需要は、近年、人々の価値観の変化や余暇時間の増大等を背景として著しく増大し、その拠点としてのマリーナ等整備に対するニーズは、飛躍的に増大しているが、その一方でこれに対応した施設の整備をはじめとする、海洋性レクリエーションを取り巻く周辺環境の整備は質、量ともに遅れており、マリーナ等プレジャーボート保管施設の不足等のため放置艇が増大している。本道においては、冬季風浪等のために活動期間が制約されるなど、海洋性レクリエーションには不利な立地条件にあると考えられるが、新規に供用されたマリーナの保管施設が完成後間もなく満杯になるなど、マリーナ等への需要は相当に高いものと考えられる。そこで、このような最近の動向に対応するために平成2年度は、道内のプレジャーボートの現有隻数把握及び将来需要推計を行った。本報告では、北海道において今後とも増大する海洋性レクリエーションヘの需要に対処すべく、マリーナ配置構想を検討する。まず、道内の各港湾管理者及びマリンクラブ等を対象にアンケート調査を行い、海洋性レクリエーションの状況やマリーナ等の整備についての意向を調査した。さらに北海道の海洋性レクリエーションや港湾配置の状況を考慮したマリーナ等配置基本方針を検討するとともに、平成2年度調査により得た将来の地域別プレジャーボート需要隻数等の整備フレームをもとに、今後の北海道における地域別のマリーナの配置構想の検討を行った。 |