スパイクタイヤの使用が禁止された、1992/93冬期の札幌圏では、表面が鏡面化した非常に滑りやすい凍結路面が出現し、社会問題となった。道路管理者は、このような凍結路面の発生条件を明らかにし、有効な対策を明らかにする必要に迫られた。そこで、1993年2月から、北海道開発局は、北海道や札幌市と共同で、全道の交差点で路面状況調査を開始した。ところが、この調査で当初用いた分類は、スパイクタイヤ時代から用いられていた分類を基にして決められた。このため、道路管理の上で問題とすべき、非常に滑りやすい凍結路面を特定することができず、踏み込んだ解析や対策を行う上で不十分であった。このような中、秋田谷・山田らは、目視による観察で、路面の滑りやすさも考慮でき、かつ判別が容易な道路雪氷分類を提案した。これを基にして、北海道内の道路管理者で構成する冬道路面管理充実計画策定協議会では、スタッドレス時代に則した、道路管理者向けの路面分類に関して検討を進め、新路面分類をまとめた。1994/95冬期は、この新路面分類を用いて、全道冬期路面状況調査を実施した。本報では、新路面分類について説明したあと、1994/95冬期の全道路面状況調査結果(北海道開発局分)を紹介し、この新路面分類をもとに、路面状況に応じてクラス分けを行い、路面評価クラス分類に応じた分析を行う。 |