我が国においては、スパイクタイヤ粉じんの環境への観点から、平成2年6月に「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が制定され、それに基づきスパイクタイヤの使用規制が実施されてきている。北海道においてもその法律に基づく指定地域は平成6年4月指定までで102市町となっており、現在、ほとんどの車両がスタッドレスタイヤを装着するに至っている。このような中で、北海道を初めとする積雪寒冷地域においては冬期間の路面対策がこれまで以上に重要となっており、道内の各道路管理者は、凍結防止剤やすべり止め材(砂砕石)の散布、ロードヒーティングの設置、除雪体制の強化など様々な対策を行ってきている。これらの対策の内、凍結防止剤やすべり止め材の散布は平成2年度以前には北海道ではスパイクタイヤの普及もあってほとんど使用していなかった。しかしながら平成3年度以降スパイクタイヤの使用規制によって、これまで経験したことのないすべりやすい路面状態が出現するに至って、北海道においても特に凍結防止剤の使用は重要となっている。そこで本論文では、北海道開発局で管理している国道における凍結防止剤およびすべり止め材の散布の現状を過去のデータと比較して報告する。 |