アスファルト舗装の補修工法として、パッチング、オーバーレイ、打換え等の工法があるが、この内のオーバーレイ工法を採用した場合に既設の舗装上にクラックがあると、その上の新設舗装にリフレクションクラックが早期に発生する事例が多く見られる。このリフレクションクラック対策として、既設舗装上のクラック部をシートにより補強する工法などが採られているが、クラックには、低温クラック、縦クラック、亀甲状クラック等、その発生原因に対応した様々なタイプがあり、またそのクラックの損傷程度も様々であるため、それらに合わせた適切な対策を採る必要がある。現在、オーバーレイ時の既設舗装は、主にMCIにより評価されているが、これは舗装表面の変形の程度を面的に評価したものであり、クラック部のような局所的な評価方法については、道路維持修繕要綱等でもほとんど検討されていない状況にある。本報文では、一般国道38号新得町北新得舗装修繕工事において、主に低温クラックについて、その損傷程度の評価と対策工法を、FWDによる舗装路面のたわみ量と3mプロフィルメータによるクラック前後の縦断変形量を用いた検討を行ったので、その結果について報告する。 |