国際的な漁業資源管理と公海漁業の規制強化や近海資源の滅少といった内外の厳しい環境のもと、北海道では、我が国における水産物供給基地としての役割を担うとともに、国民の水産業に対する負託に応えるため、「資源管理型漁業」を中心とする各種水産振興施策を展開しているところである。一方、漁港漁村においては、漁業従事者の高齢化、後継者不足等の問題に対処するため、生産基盤としての漁港整備や、生活基盤としての漁村整備の推進、さらには、国民生活の質的向上に伴う海洋性レクリエーションの需要の増加に対応した漁港関連施設の整備等、漁港に求められる機能の多様化に的確に対応することが急務となっている。以上のことから、水産課では、北海道水産業、漁港・漁村の現状と課題を踏まえ、水産業を支える漁港・漁村の中長期的なあり方を模索するため、平成5~6年度にかけて「北海道漁港・漁村将来構想策定調査」を実施した。この調査は学識経験者、漁業者等からなる「北海道漁港漁村将来構想策定調査検討委員会」を組織し検討を行い、その成果として20年後の北海道の漁業、漁港漁村、漁家生活の将来像を描いた「北海道マリンビジョン21」として取りまとめたところである。本報告では、委員会の検討素材として実施した各種調査の中から主要指標予測調査結果を紹介しそれをもとに北海道水産業、漁港漁村の将来像との関わりについて報告する。 |