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 親水性防波堤警報システム「クジラくん」の基本特性

作成年度 1995年度
論文名 親水性防波堤警報システム「クジラくん」の基本特性
論文名(和訳)
論文副題 平成7年度(港-15)
発表会 平成7年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成7年度技術研究発表会
発表年月日 1996/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
早川哲也
笹島隆彦
遠藤仁彦
抄録
豊かなウォーターフロントの具現化の一つの方策として、港湾において親水性防波堤の整備が進められている。一般に防波堤は、海・港などの景観を楽しむのに適しているばかりでなく、魚釣りを楽しむ場としても魅力的な空間である。しかし、年間数日程度は高波浪によって防波堤上は非常に危険な場所となる。したがって、親水性防波堤を管理・運営するに当たっては、その施設の危険特性を十分把握し、利用者の安全確保に対して細心の注意を払らうことが必要である。既往の施設管理では、波浪注意報や警報を判断基準とし、高波浪時などに施設の利用を制限することにより管理を行っている例が多い。しかし、実際の危険は、場所的または時間的に変化するものであり、波浪注意報のように比較的広域を対象とするものでは必ずしも施設周辺の危険状況を的確に表していない場合もある。例えば、太平洋側の港では、波浪注意報が発令されていないときに、うねり性の波により釣り人が防波堤から海中に転落する例が少なくないことが著者らの調査により明らかになっている。そこで親水性防波堤の越波に対する危険状況が的確に判断できる新しい高波警報システム「クジラくん」を提案した。本システムは、混成防波堤の上部工の形状を工夫したものであり、防波堤前面の窪み(マウス部)とマウス部から天端上へと通じている切り通し(ノズル部)から成っている。マウス部は静水面より上に設置しており、波高が大きくなり、波がマウス部に達するようになると音が発生し、かつノズル部においてしぶきが上方に上がる。これらの音としぶきによって、防波堤上の利用者や管理者に危険を知らせるものである。これらの発生は防波堤前面での波の打ち上げ高によって決まるために、各場所における危険状況を的確に知らせることができる。また、マウス部は、天端面よりも低い位置に設置するために、越波が生じる前に危険を知らせることができるのも大きな特徴である。さらにマウス部の設置位置によって危険を知らせる波高が設定できるために、実際に越波するような危険状態に至るまでの余裕時間も設定できる。
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