国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

論文・刊行物検索

詳細情報

 道路づくりにおける緑地への還元-旧道植生復元対策について-

作成年度 1993年度
論文名 道路づくりにおける緑地への還元-旧道植生復元対策について-
論文名(和訳)
論文副題 平成5年度(共-25)
発表会 平成5年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成5年度技術研究発表会
発表年月日 1994/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
広瀬祐嗣
松田隆夫
長谷川高司
抄録
一般国道273号は十勝圏と上川圏北部網走圏を結ぶルートで、昭和30年代半ばに開発道路として建設された道路である。十勝と上川の境界に位置する三国トンネルは道内で最も高所の標高1,139mを通過し、厳しい気象条件下にあることや、線形改良の未整備区間もあって数少ない冬期閉鎖国道となっているが、現在主要構造物も完成し、平成6年からの通年通行を目指して鋭意工事が進められている。この地域は大雪山国立公園の特別地域に指定され、全域が国有林であることから道路建設においても様々な環境保全対策が必要とされる。今回の線形改良によって切離される旧道敷や法面は、植生復元後国有林に返還されることになるが、標高が1,000mを越え、森林限界に近い厳しい環境条件下にあること、急斜面で有効土層の少ない基盤であることなど、植物の生育環境は劣悪で、植生復元において適用する工法、樹種の選定にも大きく制約を受けることになる。近年道路事業においては、景観や環境保全への意識の高まりから、効率化を優先した整備よりも自然植生、動物、昆虫などに配慮した「エコロード」構想に見られるような施策の展開が行われるようになっているが、具体化に向けた研究は緒についたばかりで、尚解明されなければならない点も数多く残されている。三国峠の旧道植生復元もこれらの施策の一環として位置付けられるが、今後の研究の体系化を待つのではなく、綿密な現地調査をふまえ、これまでの様々な技術を応用した工法の適用により、多少時間を要してもできるだけ自然に同化させ、秀れた道路景観を作り出す手法を追求するものである。山岳部を通過する道路の緑化に関するモデルを提供し、今後新たに計画する事業に役立つものと考えている。
本文表示
このサイトで提供される情報には、PDFファイルが使われています。PDFファイルをご覧頂くにはAdobeReaderが必要です、「Get AdobeReader」をクリックしてダウンロードしてください。 AdobeReaderダウンロード
ページの先頭へ

この画面を閉じる

© 2023 Civil Engineering Research Institute for Cold Region, All rights reserved.