河川の富栄養化は水域のBODを引き上げるばかりでなく、河床表面の付着藻類量を増加させて河川内の有機物質を増加させる原因になる。また、藻類の呼吸は夜間の溶存酸素濃度の低下やpHの変動をもたらし、河川の水質管理上の問題を引き起こす場合がある。さらに、河川流況条件によっては河川富栄養化が浮遊性藻類の増殖を促して淡水赤潮やアオコの発生にもつながる。このような河川水質の変化に対しては、定期的な水質調査や水質自動モニターによる監視がなされているが、これらの方法では富栄養化に伴う藻類の増殖を種々の水質項目から間接的に把握する事しかできず、富栄養化の監視手法としては不十分であると言わざるを得ない。著者らは、これら富栄養化の監視に寄与するため、代表的な水質分析項目と植物プランクトンの関係などいろいろな手法について、とりまとめてみた。その結果、クロロフィルaを直接測定することが、藻類監視には最も有効と考えられたが、この方法は監視手法として確立されたものではなかった。そこで、一つの試みとして、蛍光光度法を用いて、現地観測を連続的におこない、観測結果の解析を行い、藻類監視手法としての可能性を検討したのでその結果について報告する。 |