現在、道路の特定箇所(横断歩道部、歩道橋取付部、橋梁、防護柵等)除雪は、付帯工事として人力によって行っている。しかし、近年の若年労働者不足により作業員は高齢化し、その数も減少しているため機械施工による除雪が望まれている。そこで当所では平成3年度から、特定箇所のうち、箇所も多く処理頻度が高い横断歩道部間口の堆雪処理用機械の開発を行っている。平成3年度は、スノーバケット(平積み容量0.2m3)を製作し、トラック・バックホウ(2.5tトラックベース、最大堀削半径6.2m)に取り付けて試験を行った。試験は、当所構内に間口幅1.0~4.0mの模擬横断歩道部を作り、奥行き1.0~2.5mの数種類の堆雪を形成して、その処理作業時間、施工状況、現場適合性等を調査した。施工は、バケットを水平に手前に引き寄せてバケット内にすくい取る方法で行った。その結果、全道平均の1箇所当り堆雪量1.7m3程度なら、排出回数5~6回で作業時間は4~5分であった。しかし、バケットを路面に接地したまま水平に手前に引き寄せる操作が非常に難しく、しかも手前に引き寄せた雪をすくいきれずに取り残してしまう、アームを旋回させるとき信号機、電柱、標識等の障害物回避の煩雑さが予想される、作業時間がかかりすぎるため一般通行車両の障害になるなどの問題があった。平成4年度は、作業時間の短縮と雪の取り残しをできるだけ少なくして仕上精度を向上させることを目標に、直接的な作業ができるサイドウィング方式による横断歩道部間口の堆雪処理用機械の開発調査試験を行った。 |