北海道の主たる自動車交通問題のひとつは、冬期における自動車走行の安全性そして安定性の確保である。このため従来から、降雪、吹雪などの情報の収集体制、観測手法の研究が進められている。しかしながら、自動車交通網の拡大、広域化の中でスタッドレスタイヤの移行とともに路面のすべり問題がより一層クローズアップされてきており、道路情報の広域化および迅速化、そして詳細な情報の収集提供など道路利用者のニーズに即した道路情報システムのさらなる拡充が望まれている。この道路情報システムの拡充においては、計測技術の開発向上および情報処理の自動化などが必要であり、これらの効率的推進をはかるには、システム形態を情報収集や情報処理といった役割を分散し個々のセクションにおいて進捗、高度化がはかれる、いわゆる分散システムとすることが有効と考える。こうした観点からおおまかに情報収集系、情報編集系及び情報提供系に分散することにした。これまで、札幌道路事務所維持課、開発土木研究所研究室からの遠隔情報入力、収集情報の自動編集と音声自動応答を行うシステムセンタ及びプッシュホンによるリクエストに対応する基本的構成(道路情報電話リクエストシステム)を試作し、応用試験を行ってきた。その結果、道路情報システムとして実用化しうる見おとしが得られたので、ここにその概要を報告する。 |