| 代表的な軽量盛土工法の一つに発泡スチロール(Expanded Poly-Styrol:EPS)を用いたEPS工法がある。最近、設計自動車荷重が20tから25tに変更されたことなどから、今までよりもEPS上面に作用する圧縮応力が大きくなり、一般的に用いるD-20タイプのEPSでは許容圧縮応力を満足しないケースも考えられる。この場合、EPS盛土の上部に圧縮強さの大きなEPSを用いることが必要となるが、経済性を考慮して高強度EPSを合理的に用いる設計が要求される。一方、現在までに舗装体およびコンクリート床版を含めたEPSの荷重分散についていくつか報告されてはいるが、現行の設計法ではEPS部分での荷重分散について特に定められていない。このため、高強度EPSを用いる厚さを決めることは難しい。そこで、EPS部分の荷重分散特性を知り、圧縮強さの違うEPSを組み合わせた合理的な設計法の提案を目的に、EPSブロックの荷重分散特性実験を試みた。実験では最初に、継ぎ目のない一様な状態での荷重分散特性と材料の圧縮強さの違いによる影響を知るため、板状のEPSを層状に積み重ねた単体実験を行い、その一部を既に報告した。本研究では、さらにブロック状に積み重ねた状態での荷重分散特性を知るため、現場で用いるEPSブロックを使用して実験ピット内に積み重ねた実物大実験を行ったので、これら二つの実験を合わせて報告する。なお、本報告はEPS開発機構との共同研究の一部である。 |
