北海道は広域分散型社会を形成しており、都市間交通のモビリティを高め交流の増大をもたらすことが地域間の連携を強化し、北海道の均衡のとれた発展に大きく寄与するものと思われる。近年、札幌、仙台、広島、福岡に代表される地方中核都市の成長が著しく、これは大企業の支社の地方展開等の経済的側面及び高規格幹線道路の整備や空港・新幹線等の高速交通体系の整備が大きな役割を果たしている。したがって、それに次ぐ県庁所在地等の地方中心都市は高速交通体系の整備を背景に地方中核都市との連携を意識しながら、拠点性の向上を図ろうとしている。北海道の高速道路は札幌を中心とする道央圏においてネットワークの形成がなされていたが、最近では、道北の拠点である旭川とも連結されるようになった。今後は函館、帯広、釧路等の拠点都市間が高規格幹線道路によって連結される計画であり、道南地域、道東地域の発展に大きく寄与するものと期待されている。本文は、都市間交流を検討するための地域区分及び道内に点在する拠点都市の拠点性を明らかにしたうえで、交流の基礎となる業務交通に着目し、高速道路の利用形態を分析することで、交流の増大に果たす役割を考察したものである。 |