北海道の高速道路は、平成5年度で供用延長が300kmを超え、維持管理の重要性が社的に増すようになってきた。このような時代のニーズから走行安全性・快適性を確保する舗装として、排水性舗装が注目されてきた。排水性舗装は、空隙率の高いポーラスなアスファルト混合物を表層に用いて路面の雨水を速やかに排水する舗装であり、①ハイドロプレーニング現象の防止、②雨天時の滑り摩擦抵抗の確保、③水はね・スモーキング現象の防止、④夜間・雨天時の視認性の向上、⑤交通騒音の低減等の機能を有している。日本道路公団では高速道路における走行安全性の高い舗装として排水性舗装を採用しており、道内でも平成3・4年度にオーバーレイ工事の中で試験舗装を実施した。当時は、道内における排水性舗装の実績が少なく、また寒冷地用混合物の配合設計手段及び現地の挙動などが得られていなかったことから、JHの施工実績に基づいて実施した。その試験舗装路面は、冬期における著しい耐久性の低下により損傷を受けることとなった。そこで、冬期の耐久性を満足できる排水性混合物を得るため、低温性状と空隙率の関係に着目して『低温カンタブロ試験』を実施した。この結果を基に混合物の耐久性及び試験舗装の評価・検討を行ったので、試験結果の報告と積雪寒冷地の排水性舗装配合設計手法を紹介する。 |