国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 美々川湿原植生の生育環境について(第2報)

作成年度 1996年度
論文名 美々川湿原植生の生育環境について(第2報)
論文名(和訳)
論文副題 平成8年度(共-8)
発表会 平成8年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成8年度技術研究発表会
発表年月日 1997/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
井田泰蔵
高嶋守仁
秋山泰祐
抄録
美々川流域は、美々川本支川を中心に、ウトナイ湖の湖沼とその周辺の湿原及びそれらをとりまく森林、丘陵等石狩低地帯のかつての自然の面影を残す地域であり、国設鳥獣保護区特別保護地区に指定され、かつ、ラムサール条約登録湿地となっているウトナイ湖をはじめ、都市近郊に位置する貴重な自然景観をなしている。その自然の多様性は高く評価され、また動植物の優れた生息環境ともなっており、将来にわたりこれらの自然環境を保全していくことが重要である。美々川流域の自然環境を保全するにあたっては、流域の湿原植生の生育環境について理解することが欠かせない。湿原植生は、河川水位及び地下水位の変動と密接な関係にあることが知られており、これまでの調査、研究から、美々川流域の湿原に広く分布するヨシーイワノガリヤス群落の湿原草原、ハンノキ林の湿原森林、ミズナラ・コナラ林の森林植生について以下(1)~(3)のことが明らかになっている。(1)ヨシーノワノガリヤス群落は河川水位が上昇し冠水する区域で、その水位変動幅が大きい環境に生育している。美々川の河川水位については、流量の季節変動が少ないにもかかわらず、水生植物の繁茂により夏から秋にかけて著しく上昇する特性があり、美々川の流況については、長谷川・古長谷ら、秋山らにより調査、研究されている。(2)ハンノキ林は地下水位が高いかもしくは河川水位の影響を受けその地点の水位(以下地点水位と記す)が地表付近まで達し、場合によっては冠水する環境に生育している。その水位の変動はヨシーイワノガリヤス群落に比べて小さい。(3)ミズナラ・コナラ林は河川水位の影響を受けず、地下水位も年間を通じて地表面から20cm以深と比較的深い範囲で変動している環境に生育している。本報告では、地点水位が、河川水位か地下水位のどちらか、さらには双方の影響を受けるところが混在するハンノキ林について、林床の植生に着目して群落学的な植生区分を行い、林床タイプ毎に、生育環境について明らかにすることを目的としている。
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