近年、本格的なスタッドレス時代を迎え、より高度な冬期路面の管理が要求されてきており、様々な方面からのアプローチが試みられている。機械除雪についても迅速で高精度な作業が求められており、それに対応するためには除雪機械の高性能・高効率化、また作業条件及び作業環境の改善が必要である。冬期路面管理の中で、機械除雪の主力を担っているのが除雪トラック・除雪グレーダであり、これらの除雪機械は日々の除雪作業後のメンテナンスに長時間を要する。特にカッティングエッジの交換作業は無理な体勢での作業を強いられており、また除雪作業に一般的に使用されているボロン鋼のカッティングエッジは、40km~50kmの実作業で摩耗限界に達してしまうため、除雪作業毎の交換が必要となりオペレーターにとって大きな負担となる。超硬ビットカッティングエッジはエッジの耐摩耗性を向上させ、交換頻度を低減することによる作業環境の改善と、エッジの高性能化による除雪能力の向上を目的として、平成5年度から平成7年度までの3ヶ年にわたり、札幌市内国道上において実作業上での調査試験を実施した。本報告ではこれまでの試験結果による超硬ビットカッティングエッジの性能を考察し、その有効性について報告するものである。 |