国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 貯水池の氷板問題とその対策

作成年度 1996年度
論文名 貯水池の氷板問題とその対策
論文名(和訳)
論文副題 平成8年度(ダ-11)
発表会 平成8年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成8年度技術研究発表会
発表年月日 1997/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
松岡宗太郎
秀島好昭
小野寺康浩
抄録
北海道は積雪寒冷地ではあるが、水稲・畑作物等の農業生産量は日本の約22%のシェアを占めるなど、日本の基幹食糧生産地として役割を担っている。このため、かんがいを目的としたダムは多数あり、ダムタイプとしては、岩石材料等を利用したロックフィルタイプのものが大半を占める。かんがいを目的とするダムの旧来の利水運用は、毎年春から貯水・利水、秋には落水するものであったが、近年ではビニールハウス施設作物等による通年利水計画も増加している状況にある。ダムでの冬期の貯水においては、結氷が構造物に与える影響を考慮する必要があり、例えば取水塔周囲の結氷防止工法など技術開発が進んでいる。一方、ロックフィルダムのように上流法部が岩石材料単味で構築される場合は、シェル部の空隙部を満たす水が法内部でも結氷する。一般の成層した土の法面では、法内部奥まで氷結は進行しないが、ロックフィルシェル部では空隙が大きく自由水で満たされるため氷結が法内部奥まで進行するものと考えられる。このようにロックフィルダム湖の結氷が法内部まで連続した場合、湖面の水位変化(氷板の変位)に伴い湖面(氷板)と法面の干渉問題が生じる。このような技術的な課題の研究例は少ないが、既報では氷板を弾性床上の梁(水面を弾性床)とし、この梁が法部に根入れされた問題として解析的に検討する手法が提案されている。ここでは、法部への氷板の進入深さ(根入れ深さ)をどのように見積もるかについては未開のままである。本報では、この氷板の進入深さについて現地の温度測定から解析を試みた。ダム堤体内部の温度分布を検討する際、上・下流の温度分布の差(法勾配の違いによる非対称性、貯水に伴う上・下流の非対称性)やダムの形状(基盤面から突出した三角形状)から熱伝導解析を2次元(時間も入れれば3次元)とすべきかなど事前の検討が必要となる。かんがい期の空虚、満水時の温度分布の解析結果では、通常の法勾配をもつ数十m堤高のダムでは上・下流対称として取扱えること、また、法面からの距離のみを空間位置として1次元的に取扱えることが判明している。本報では、これら解析結果を反映して、1次元の熱伝導問題として検討を行った。
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