第30回国土開発幹線自動車道審議会、いわゆる国幹審が平成8年12月27日に約5年ぶりに開かれ、北海道に於いても北海道横断自動車道夕張市清水町間が新規整備計画区間に決定された。また、北海道自動車道黒松内町白井川倶知安町間も基本計画に決定された。また、一般国道の自動車専用道路については平成9年2月5日に建設省道路局長より、北海道において4路線5区間83kmが整備計画区間に、4路線4区間が170kmが基本計画区間に決定され、全区間が基本計画以上に位置づけられたところである。今後とも、広域分散型社会である北海道においては高規格幹線道路は地域発展の基幹的な条件であると認識し、主要な施策として推進していくこととしているところである。一方、国及び地方の財政状況が、高齢化社会を前にして逼迫している状況に於いて行財政改革は国家的緊急課題であり、公共事業の規模・執行方法の透明性についても厳しい目が向けられている。この透明性の改善は現在の緊急の課題であると認識されている。このような状況下においても、高齢化社会を前にした現在は、豊かな社会を維持するため、社会資本整備を行う最後の機会であるという状況にかわりはない。特に、高規格幹線道路を初めとする道路事業については、地球上の各地域が市場経済の原理で競争を行う状況の中で、競争力を保持するイコールフッティングの条件として着実な整備が必要な分野である。北海道の高規格幹線道路は広域分散型の社会である北海道にとって今後も整備を進める必要があるが、北海道の公共投資に関しその投資割合についての批判や、交通量の比較的少ない状況の中での整備の必要性への疑問等、非常に厳しい状況にあると言える。そこで、北海道における高規格幹線道路の整備効果について様々な検討を行い、その整備の必要性について幅広い立場の人々に説明することが肝要である。本研究において、先ず整備効果の類型を行いその目的別、種類別の特徴について論じた後、過去の主な整備効果把握の実践について検証し、更に今年度行われている主な高規格幹線道路の整備効果に係る調査の概要を紹介し、その位置づけを明確化するとともに、今後の高規格幹線道路の整備効果把握についての方向性について論じることとする。 |