車両走行の安全性にとって、車両のタイヤと路面の滑り抵抗は最も基本的かつ重要な要素である。近年、積雪寒冷地域においては冬期においては非常に滑りやすい雪氷路面の出現や、夏期においても湿潤路面でのすべりが問題となるケースが散見され、何らかの対策が望まれている。特に、カーブ箇所や、トンネル・覆道等の構造物箇所など、安全走行上注意が必要な箇所及びそれら箇所の注意喚起など、部分的に一般的な舗装のすべり抵抗値以上のすべり止め舗装の敷設が車両走行の安全性の向上に非常に効果的な場合がある。このようにこれらの工法は、一般的に樹脂系すべり止め舗装として交通安全対策やバスレーン等の交通渋滞対策そして歩道等の景観対策として普及してきているが、これらは、使用される樹脂や骨材の材料特性、そして施工方法により耐久性に大きく影響を与えるものと考えられる。特に、北海道のような積雪寒冷地域においては、路面表示を含め、このようなすべり止め舗装の対策は、冬期間の除雪作業により容易に剥離されたり、ブレード切刃による切削のため、切削面がよりすべりやすくなるなど耐久性及びすべり止め対策としての性能の持続性の面から利用上必ずしも満足のいくものではない場合が見られた。そこで、除雪ブレードに対する耐久性が十分に期待できる積雪寒冷地型の樹脂系すべり止め舗装について研究開発し、その性能について検討したので紹介するものである。検討は、高強度のエポキシ樹脂に耐久性と破砕特性を考慮した骨材を選定して組み合わせたすべり止め舗装を除雪ブレードによる耐久性試験を行うことで評価した。 |