北海道に特有な道路管理上の最近の課題に、粉塵公害の解消を目指した「スパイクタイヤの使用規制」に伴い平成4年度頃より札幌をはじめ道内各地で発生した、ミラーバーンやつるつる路面と呼ばれる非常に滑りやすい凍結路面への対策がある。北海道旭川土木現業所管内においてもスタッドレスタイヤの普及により特に交通量の多い市街地などでは凍結路面の発生が見られ、各種の対策が試みられている。凍結路面対策には、除雪作業の強化から砂箱設置、ロードヒーティング施設の整備、自動車及びタイヤの改良、そして路面状況の情報提供等様々なものが考えられる。その中で「舗装路面の改良」は、建設コストが低く、維持管理が容易であり、環境に優しいという利点から有力な凍結路面対策手法の1つとなることが北海道開発局や札幌市をはじめとする各機関の調査研究により指摘されている。本報告では、これまで各機関において実施されてきた試験・研究実績を基に、弾性(たわみ)タイプで凍結抑制効果と舗装体の耐久性改善を試みた「排水性舗装をベースにゴムを充填材としたグルービングを施す舗装」を考察し、旭川土木現業所富良野出張所管内一般道道山部北の峰線の富良野市街地において実際に施工して、室内試験及び現地調査によって凍結抑制効果や舗装の耐久性についての追跡調査を行ったので、これまでの結果を公表する。 |