雪氷路面対策としての、凍結防止剤やすべり止め材の合理的利用に関しては、未だ試行錯誤的な段階にあり、現場技術者が主観的・経験的に散布作業を実施している現状にある。そのため、平成4年度以降、現在に至るまで、北海道開発局における凍結防止剤及びすべり止め材の散布量は、散布機材の増強と共に急激に増加し続けている。しかしながら、塩害等による環境への影響や散布に関わる経費の増大を防ぐため、経済的かつ効率的な散布手法を確立する必要がある。著者らは、このような背景を踏まえて、凍結防止剤等の路面管理手法について適確な使用方法を確立することを目的に種々の試験を行ってきている。平成7年度の試験においては、雪氷厚が5㎜程度の場合、路面に物理的凹凸が存在することで、凍結防止剤の散布効果が向上するという結果が得られている。ここで言う物理的凹凸とは、タイヤチェーン跡のような車両の進行方向に対して垂直な横溝であり、平成8年度においては,物理的凹凸の有無が凍結防止剤の散布に対し効果的に影響するかを検証するため、横溝と縦溝ではその物理的凹凸の形状に違いがあるもののレーキタイプ粗面形成装置付き除雪グレーダーによる縦溝施工の雪氷路面への影響を調査し、また、同装置による物理的凹凸の施工が凍結防止剤散布後の路面へどのような影響を与えるかを一般道路において調査した結果について報告する。 |