美原大橋は、道央圏連絡道路である一般国道337号の美原バイパス部で、一級河川石狩川を渡河する橋長972mの橋梁である。主橋梁部は、全長652mの一面吊り鋼斜張橋形式であり、2基の主塔基礎には大規模な仮締切兼用方式井筒型鋼管矢板基礎を採用している。使用している鋼管矢板は直径1200mmで、施工は支持地盤条件から油圧ハンマにより55~65m打込む必要があり、1本当たりの極限支持力は950tfとなる。一般的に、杭の支持力や設計に必要な情報を確認するためには、静的載荷試験が用いられる。静的載荷試験は直接的に杭の支持力が測定できるため最も信頼されている手法であり、実績も多い。しかし、本橋梁基礎のような長尺・大口径の鋼管矢板で実施するには試験装置が大規模になり時間的・経済的制約から実施頻度を多くできない。また、道路橋示方書による打止め管理の適用の妥当性についても検討事例が少ない。そこで本橋梁では、比較的安価で短時間に実施可能な「動的載荷試験」を用いて、鋼管矢板の支持力の確認と施工管理を行うこととした。本文は、平成9年度P-1橋脚工事の施工中に行った動的載荷試験の結果と問題点について報告するものである。 |