港湾は、海と陸との結接点として物や人の輸送モードを変えるためのターミナルとして重要な役割を果たしているほか、臨海部産業の立地エリアまたその産業を支える物流ターミナルとして役割を有している。さらに、近年では、地域の人々のための憩いの場などのためのウォーターフロント空間としても機能している。このように港湾は我々の生活のために欠かせない社会基盤、経済基盤となっているが、一般の人々において港湾の役割に対する理解が不足しているのが現状である。特に港湾の重要な役割である物流機能に関しては、一般生活において結果的に港を経由した様々な物資に依存しているが、それらの物資を購買または利用している一般市民にとっては直接港湾を利用していないため、港湾に依存している実感が沸かないのが現状である。一方、今後、公共事業自体が漸減するような社会情勢下においては、港湾整備事業についても社会・経済基盤として必要不可欠なものを選別するとともに、広く一般に港湾整備事業の目的を明らかにし、その必要性を世論に理解してもらわなければならない。そこで、本報告は、港湾整備に対する理解度の向上を目的にして、広報の在り方をするかについて検討を行うものである。 |