小口径管推進工法は、下水道管や地中電線管の敷設に際して一般的な開削工法を用いることができない場合に採用される。近年は道路舗装下等に管を設置しなければならないケースが増加しており、小口径管推進工法に関する多くの実績がある。新千歳空港では、平成8年度のローディングエプロン改良工事において排水管の敷設に泥土圧式小口径管推進工法を用いた。工事の目的は、旅客ターミナルビル前のローディングエプロン(駐機場)に隣接するランプ車両通行帯の冬季間の排水性改善である。ローディングエプロンは駐機の安全性を優先して可能な限り勾配を緩く設計するため、僅かだが舗装面に雨水が滞水する。これは夏季には問題とはならないが、新千歳空港は積雪寒冷地に位置するため、冬季には滞水が凍結する場合がある。積雪時には必要に応じて除雪が行われるが、旅客ターミナルビル前を通るランプ車両通行帯ではボーディングブリッジや機材等が障害となって除雪が不完全となりやすい。残った雪は日中の気温上昇で融解し夜間の気温低下で路面凍結が起こる。これはランプ車両の通行や地上支援活動に支障を与えるため、航空各社より対策が求められていた。本報告では、平成8年度工事における排水施設設置の計画と施工のうち、接続水路の敷設に用いた泥土圧式小口径管推進工法に関する工事概要を報告する。 |